令和5年 会長ご挨拶



 卯年の今こそ、いろいろなことに挑戦し、飛躍!・跳躍!の年に
したいと思うのですが、私は一昨年にギックリ腰、昨年はヒザ痛で
一時歩くこともままならず医者通い、現在もリハビリ中、そして年末
には腱鞘炎(けんしょうえん)で親指が痛くペンも握れず年賀状を
書くのもやっとの有様。
 しかし、年を重ねればいろいろなところが痛んできます。そのよう
な事と、どのように折り合いを付けるか。私の場合、体は満身創痍
(まんしんそうい)ですが、すこぶる元気です。
ヒザが痛くても「シルバーカー」を引いて散歩や買物などに、ほぼ
1時間ほど。帰りにはヒザ痛も軽るくなり、普通に歩けるように
なりました。
 今、私たちの世界では終わりの見えないコロナ禍が続き、戦争も
起きています。格差や不平等、差別の問題も解決できていません。
予測不能で不確実な世の中を生きています。
そんな中、私は同じ出来事であっても、見方を変えることにより、
よりよい生き方ができるのではないかと考えています。
 それはポジティブ(肯定的・前向き・積極的など)、ネガティブ
(否定的・後ろ向き・消極的など)との関係です。
わかりやすくいえば、
 (ネガ)自己主張が多いー・ー(ポジ)自分の意志を持っている
 (ネガ)文句が多い  ー・ー(ポジ)自分の意見がある
                   細かいところに気が付く
 (ネガ)うるさい   ー・ー(ポジ)活気がある
 (ネガ)おしゃべり  ー・ー(ポジ)話し上手・社交的
 (ネガ)八方美人   ー・ー(ポジ)社交的・誰とでも仲良くなれる
 (ネガ)飽きっぽい  ー・ー(ポジ)いろんな事に興味がある
 (ネガ)仕事が遅い  ー・ー(ポジ)仕事が丁寧(ていねい)
 (ネガ)優柔不断   ー・ー(ポジ)物事をよく考えられる
 (ネガ)小心者    ー・ー(ポジ)慎重に考えられる  【等々】


例えばコップに水が半分入っているとします。そこでどう思考するか。
「もう半分しかない」ではなく「まだ半分もある」。又、懐(ふところ)
に「もう3千円しかない」ではなく「まだ3千円もある」。
そう「発想の転換」です。
 生きることは常に困難や苦しみが伴いますが、普段からポジティブ・
シンキング(前向きで積極的・楽観的な考え方)を心掛けていれば、
人生はうまく行くと言われています。


 話は変わりますが、昨年も慣例の儀式のような年賀状書きに苦処して
おります。
書き終わればようやく1年が終ったという感慨が湧き、達成感はある
ものの、ものすごく楽しいとゆうわけでもなく、正直、ちょっと面倒
くさい。そこで私は卒寿(そつじゅ 90才)を機会に儀礼的な賀状を
廃止したところ120枚が、昨年は70枚ほどに減りました。
(それでも70枚)
 そもそも年賀状とは、毎年の年頭に日頃お世話になっている人や親しい
知人への挨拶を年賀状として送ることは、古くからある習慣です。
幕末の新選組においても、土方歳三や沖田総司らの年賀状が現存し、現代
の私たちと同じように年頭の挨拶を重んじていたことがうかがえます。
 又、年賀状は平安時代(794年~1185年)から始まったとされ
ています。平安時代の貴族、藤原明衡がまとめた手紙の文例集の中に、
年始の挨拶文例があり、これが残っている最も古いものだそうです。
 日本では昔から新しい年を迎えるに際し、お世話になった方や親しい
方に挨拶をして回る習慣がありました。しかし、遠方に住んでいるなど
何らかの理由で挨拶が難しい場合、代りに書面で挨拶をすることがあり、
これが年賀状の始まりといわれています。


 私は年賀状を書く際、その人と自分との過去を振り返り、「こんなこと
一緒にしたな」とか「こんな風にお世話になったなあ」など、身近だから
こそ、直接は伝えにくい感謝の想いをこんなにも堂々と表現できる機会は
またとないはずです。そうゆう意味あいもあり私はかならず添え書きを
することにしています。そのせいか今年来た年賀状には嬉しい添え書きを
した賀状が沢山(たくさん)ありました。
例えば1年1回のラブレーターと称し自分の身のまわりのこと、昔の仲間達
の消息(しょうそく)など手書きではがき全面に綴られていました。
この方は母校PTA・後援会などで共に苦労した親友、いや同志といっても
いいでしょう。又、「落葉と薪(まき)に囲まれた生活もいいもんだよ」と、
この方は元勤務先の同僚で定年退職後、軽井沢に家を買い、引越して行った
親友です。昼は落葉を集め焚(たき)火、夜は割った薪を暖炉(だんろ)にくべ
チロチロと燃える炎(ほのお)を眺(なが)めるご夫妻の姿が目に浮びます。
それから同じ職場で汗を流した字のあまりうまくない部下の賀状ですが、
これがすばらしい。奥様が代筆されていると思いますが筆文字、それも達筆、
昨年は「あけまして、おめでとうございます」それにかわいい虎が「ひょう
たん」を抱(かか)えた絵が描かれていました。絵もうまい。今年も楽しみ
にしていたところ(毎年ですけれど!)今年は「迎春」と墨絵(すみえ)で
耳が大きく、つぶらな瞳(耳の内(うち)がわはピンク・目は真赤)のうさぎ
の顔が画(えが)かれていました。うさぎの顔がなんとも愛らしく、眺めて
いると何か話(かた)りかけられているようで、心がほっこりします。
優しい彼のことだから「この人どんな人」「うるさいことばかりいってさあ」
などと二人で年賀状づくりをしているのではないかと想像されます。
しかし全(すべ)て印刷のみの賀状は営業年賀状みたいで、いただいても何も
嬉しくありません。
皆さん、如何でしょうか!


 さて、今度の同窓会ニュース・秋号(R4年臨時号)は、年賀状と一緒に
元日に届きました。(なんとも遅い!)
同窓会からの年賀状と慮(おもんばかー・ーおもいはかる)っていただければ
幸いと存じます。(ポジ)


 『なんとなく、今年はよいことあるごとし
    元日の朝、晴れて風なし     (石川啄木)』

  
 
本年も宜しくお願い申し上げます。

   港工同窓会会長
   港(全)3期電力科卒
     前田 武男